K-1 WORLD MAX 2008

まずは勝敗結果から。


●小比類巻 vs ユーリ・メス○
TV放送初戦。クリンチがかなりシビアにとられている。これは首相撲からの膝が出せず、小比類巻のようなスタイルの選手には厳しい。ローと膝は入っているが、メスは構わず前進。パンチを叩き込む。
距離を作れず、打ち合いから左の返しでコヒKO負け。
メスはまだ一杯食わせモンの気配がするが、相応の強さは見せた。コヒは…ラスト1秒だったのに…。






●サワー vs キシェンコ○
嫌な予感はしたが、まさかダイジェストとは。お互い決め手を欠いたまま、本戦判定でドロー→延長へ。
ここでも決定的な差はつかず、判定。キシェンコ勝利。最初のジャッジを聞いたとき、キシェンコも「え?」という顔をしていた、それくらいの僅差。






魔裟斗 vs 佐藤嘉洋
目玉にふさわしい大激戦。懐の深い佐藤に対して、魔裟斗は飛び込むように距離を詰めてパンチ。佐藤はそれにテンカオを合わせる。
2R。魔裟斗はパンチが伸びきっているせいか、当てはするもののダメージを与えられない。打ち合いに応じる佐藤。右ストレートでダウン!おおおぉぉぉぉ!!去年魔裟斗がブアを倒したのと同じくらいの衝撃。まさか打ち合いを佐藤が制するとは…。
3Rに入り、魔裟斗も必死に盛り返す。佐藤は膝を出さずにパンチ勝負。壮絶な打ち合い。
判定、ドロー。今回の興行のポイントだった。当て返したとはいえ、ダウンを取っているのは佐藤だし。
延長。佐藤の被弾数が増える。畳みかける魔裟斗。判定、魔裟斗。判定になった時点で、佐藤は負けを悟っていたっぽい。
ここまで実力に差がないと思ってなかった。佐藤は勝てた試合だったと思うが…欲を言えばもう一度倒したかった。







城戸康裕 vs クラウス○
城戸はローと膝で距離を作る。クラウスはプレッシャーをかけるが、思い切って飛び込めない。1R終了間際の膝で、城戸の額が割れる。
2Rに入り、TKOを意識したのか、城戸が猛然と吶喊。良い判断だったが、再度膝をもらって出血、試合が止まった。
城戸も確実に力を付けてる。良い傾向。

城戸の煽りPV
「(リザーブマッチに勝利したら)
『誰か怪我しろー』
って思いますね」

お前が怪我してどうする。






魔裟斗 vs キシェンコ●
キシェンコが決勝に来た時点で、「ああ、魔裟斗優勝だな」と考えていたが、大きな間違いだった。むしろサワーが来た方が楽だったんじゃないかと思うような激戦。
魔裟斗もキシェンコもダメージという点ではほぼ互角。ややキシェンコの方が浅いか?ただ、回復力では若いキシェンコの方が上。
お互いローが利いている。パンチの打ち合いも互角…のように見えたが、魔裟斗ダウン!今日二度目の、おおおおおぉぉぉぉぉ!!
見合うシーンが多くなるが、一合ぶつかるごとにパンチの嵐。
判定、延長、判定で魔裟斗勝利。






■総評
微妙な判定が2試合とも魔裟斗戦だったのが、優勝にちょっとミソを付けた。T-260Gとも話していたが、ホームディシジョンというとしっくり…来るかなぁ。
とにかく人によって賛否の分かれるジャッジだったのは間違いない。魔裟斗は、ルール面、システム面のフォローもあって、何とか勝たせてもらった感じ。いや、優勝は優勝だし、試合自体凄かったんだけどさ。
先日のエントリでK-1の恣意性についてちょっと触れて、割と興行寄りな姿勢を肯定する立場で話を書いたんだけど、それに疑問符を付けてもいい興行だった。
佐藤といい、城戸といい、キシェンコといい、若い選手と世界王者クラスの実力差が縮まっているのは確認できた。これは良い傾向。世代交代は近い。…それが興行の衰退にも繋がりそうだけど…。
事前予想6試合中、4試合当たり。