天空の城 ラピュタ

久しぶりに見た。ラピュタ

天空の城ラピュタ [DVD]

天空の城ラピュタ [DVD]

大学図書館の視聴覚ルームにあるのは分かってたから、とりあえず突入して探索してみるも、貸し出されているためか見当たらない。
しょうがない…、三度目だがこれでも見るか…。と手に取って振り向いたところ、視線の先にのTV画面に、要塞に突進するドーラ一家+パズーの姿が。
よっしゃー!多分あと1時間すれば空く!




で、その人がラピュタ見終わるまでは二・二六事件のビデオを見てた。
昭和史の重要な事件で、これが語られないことはまずないであろう事件。印象としては、ただの反乱というよりは軍事革命であったと思う。
この事件の最中に反乱首謀者たちの交わした電話交信が、軍によって盗聴・録音され、それがNHKの倉庫から発見された、という経緯で番組が製作されたようだ。
どうもドラマだのアニメだののフィクションに慣らされているせいか、こういうやり取りは常に緊迫感に満ちているものと考えがちだが、意外とそうでもない。
まぁ、電話の音質がよくなくて、話があまり噛み合って場面があるせいもあるが。
歩兵第三中隊(鎮圧側)の高橋中尉が、同隊機関銃隊(反乱側)の上村軍曹を説得する場面は、正直感動する。
二・二六事件に関する、今の時点での自分の考え方は、やはり軍事力を一方的に行使して(テロリによって)、自らの意に添わない政治勢力を排除する、という非合法手段に出たのは、例えいかなる理由があろうと許容されるべきではないし、軍事革命としての見通し・準備・実行面の甘さは、余りに自らの成功を楽観視し過ぎた軽挙であったと考える。
ただ、この当時の官僚政治の腐敗、資本家は浪費を謳歌するのに、国民(特に農民)のは大根をかじって生活する…、という資本主義社会の矛盾は事実であり、その面においての青年将校の想いは汲まれるべきであるとも思う。ただ、その根本を改革するには、どうしても天皇制支配に行き着かざるを得ず、天皇制維持を前提(というか、この前提を崩すことを夢想すらしてはいなかった)として起こそうとした革命には、所詮圧倒的な限界があった。
しかし、皇道派(反乱側)の精神主義は、実際の戦争になったら本気で厄介だったろうなあ。
あと、陸軍将校の軍服+将校マントは痺れるくらいカッコいい。惚れる。





で、ラピュタだけども。
やはり何度見ても面白い。
金曜ロードショーでばかり見ていたためか、「あ、この場面でCM」と分かってしまうのには、自分でも笑った。
ドーラ達の使うバズーカが欲しくてなぁ、一時期夢に見たよ。
昔は単純に見てて面白かったが、今見ると軍事面での宮崎監督のこだわりと言うか、それに凄まじく燃える。
ロボ落下→政府動く→(どういう経緯かムスカ登場)特務設立、軍と共同でラピュタ探索→
シータ拉致→軍(将軍)不用意に暗号発信→傍受したドーラ一家襲撃→シータ逃亡
冒頭のシーンまでで、ここまでの作りこみがあるのが驚き。
昔は、なんでムスカと将軍が対立してるのか、分からなかったもんなぁ。
秘密主義の特務と、権威主義の軍との対立構図とか、激萌え。
でも、ドーラはどうやって軍の暗号を手に入れ(もしくは解読でき)たのかしら。メモ帳の背表紙がローマ字で、「ANGO」。ブハ。ワロス
やはり最近の宮崎作品より、昔の冒険活劇の方が俺には合ってる。