餃子

父親が料理をする、もしくは嫁姑の仲がそれなりに良いと、1つ屋根の下に、2つ家庭の味が混在、或いは共生するのは、往々にして起こり得る事態である。
うちの餃子に関しては、父の家庭の味だった。というか、幼い頃から、長いことそれしか食ったことがなかったので、むしろ一般的に売られているものや、中華料理屋で食べる餃子には物凄い違和感があった。その違和感が自然と克服され、「まぁ、これはこれで美味いし」と思えるようになったのは、ここ最近だ。
だが、幼少時に「美味い」と思って食べていた父の家庭の味は、今思い返してみると、総じて貧乏臭いものであった。それが嫌だと感じたことはないし、美味いものは美味いのだから、今でも好物だが。






元来餃子というのは、包む手間さえ別にすれば具の種類も、調理法も、至ってシンプルな料理だが、うちの場合はその具材が更にシンプルになる。
ニンニク、挽き肉、ニラ。この3種類のみを用いる。
①ニンニクをみじん切りにする。
②ニラを2〜3cm間隔に切る。
③ニンニクをサッと炒めてから、挽き肉を投入。胡椒と塩を適量。
④肉の色が変わったら、ニラ投入。シンナリするまで炒める。
⑤片栗粉を水に溶いて、全体に絡ませてから火を止め、具を冷ます。
⑥熱が感じられるかどうか、程度まで冷めたら、包む。
⑦強火で熱したフライパンに油をしいて、餃子を並べる。お湯、もしくは水を、餃子の周りから1巻き程度注ぐ。
⑧水気が飛んだら、餃子の周りから、胡麻油を1巻き程度注ぐ。



あとは3〜4分待って出来上がり。