謎の彼女X
植芝理一のマンガは初見。アフタヌーンを購読するようになってから気になっていたマンガなので、単行本出たら迷わず購入。
うーん、エロい。直接的な描写は何一つ出てこないものの、「自分の彼女の涎を舐めさせてもらう」というシチュエーションが異常にいやらしい。第一「唾」と書くと無機質な感じを受けるのに、「よだれ」と書くと、途端にネットリ感というか、グチョグチョしたリアルな感覚を連想してしまう。
4話くらいしか連載してないのに、単行本化が早いな、と思っていたら、読み切りの0話が収録されているせいだった。連載を初めて読んだときには設定も状況も謎だらけで、まさしく「謎の彼女X」だったわけだが、0話のお陰でかなり話が分かった。つーかこれがなきゃなんで椿が卜部のよだれを舐めるようになったのかが全然分からんし。
運命的なもの、というのを、まだ心の中では若干信じつつも「でもそんなわけねーんだよな」と諦観するような年齢・性格になってしまった。椿と卜部の関係は、見るからに「運命的」で、なおかつコミュニケーションの方法も「よだれを舐める」という呪術的な色合いを強く帯びている。あやふやだが確かな「何者かの言葉」*1で縛られている。
他人から見れば異質で、ある意味気味の悪い「交際」であるが、こういうモンへの憧れが俺の中にあるのか知らん。
つーか、憧れます。実際こんなんやるとしたら躊躇するだろうけど。
絵の安定感、展開の読めなさ、で期待大のマンガ。
- 作者: 植芝理一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/08/23
- メディア: コミック
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*1:神、あるいは運命。それは卜部を通してしか語られることはない。ので、卜部自身の願望かもしれない。