インド 11月4日

11月ともなると、朝夕はインドでも肌寒い。
「さむっ」
思わず呟いてしまう。のろのろ着替えと歯磨きを済ますと、朝食に出かけた。
朝のメインバザールinニュー・デリー。
昨夜は闇で街の雰囲気がつかみにくかったが、朝日の下に顕わになる、牛糞と野良牛と蝿。
道に人がいっぱいいるのに、お構い無しに突っ込んでくる車・サイクルリクシャ・バイク・オートリクシャ。
店が開き始めるのは10時ぐらいからなので、人通りは多過ぎず少な過ぎず。
ゴールデンカフェで頼んだ朝食セットは、フライドポテトに、目玉焼きの出来損ないのようなオムレツ*1、トースト1枚にチャイが1杯付いてRs35。見た目ほど味は悪くない。
hage「大佐、本日のミッションは?」
山田FB「まず両替をしないことには身動きが取れないから、朝飯食い終わったら1万円両替しよう」
hage「オッケー」
山田「それから、今後の予定を決めて、鉄道のチケットを取ろう。俺あんまりデリーにいたくないし*2
hage「ラジャ」
山田「とりあえず、アグーラー*3には、1人で行ってみようか」
hage「…は?」
山田「タージ見たいって言ってたでしょ?俺はもう去年行ったからいいや」
hage「…いや…そりゃ、タージは見たいけど」
山田「心配するな、スネーク。誰もが一度は、通らなければならない道だ」
hage「そうは言うがな、大佐」
締めにチャイを飲み干してから、ゴールデンカフェを後にした。
11月4日当時の為替レートは、大体\100あたりRs37.50〜37.60付近。
宿を取ったメインバザールには、石を投げれば当たるくらい両替屋があった。どの店も表に看板を出して、その日のレートを記す。レートは大抵横並びで、突出した高値もなければ、その逆もまた然り。
山田FB「Today's rate,How much?」
適当に当たりをつけた両替屋で、日本円の価格を聞く。
両替屋の若者は、ボスに聞いてくるからちょっと待っていろ、と言い残して、店の外に消えた。
山田FB「最近一番良かったレートで、38.00かな」
hage「看板はどこも37.50だけど」
山田FB「交渉次第で上がるから」
どんなものにも値札が付いて、価格が決まっている国から来た人間には、俄かには理解できない言葉だった。*4
舞い戻ってきた若者は、まだ分からない、と答えた。
山田FBは、さっさと店を後にする。慌てて後を追った。若者が何か声をかけて引きとめようとしているが、無視。
hage「いいの?」
山田FB「いつまでもあそこにいても、埒明かないから」
そんなものか。

*1:結局インドで食べたオムレツは100%こんなのだったが

*2:去年来て幾らかむしられているので

*3:タージ・マハールのある街

*4:この後嫌になるほど、行く先々で思い知るが