耳かきお蝶

妹に「こういうのってどこから探してくるの?」と聞かれたが、いやー、今はインターネットって便利なもんがあるんですよ。
コミックビーム増刊のラストに掲載されていた「剣姫」が気になっていたので、湯浅ヒトシの単行本を探してみた。amazonでも評価が良かったので買ってみた次第。
開国前夜の江戸を舞台に、耳かき屋・お蝶と、耳かきに訪れる人たちを描いた時代マンガ。
買ってチラッと読んだときは、「あれ?失敗したかなこりゃ」と思ったが、腰据えて読んで評価が変わった。
いや、面白い。なにが面白いって、日向の旦那*1の力の抜け具合が。
主要な登場人物の中で、一番手を抜いて*2描かれている。秘剣もただの催眠術だし。
ギャグの面白さは1巻だが、2巻になるとドラマをきちんと描いており、特に「火の玉銀二」の後編は、花火師・銀二の凄まじいまでの執念が良く描かれていて出色の出来。2巻になると、耳かきが物語の重要なファクターじゃなくなってくるのが惜しい。
あと、若手だと思ってたら全然ベテランだった。

耳かきお蝶 1 (アクションコミックス)

耳かきお蝶 1 (アクションコミックス)

耳かきお蝶 2 (アクションコミックス)

耳かきお蝶 2 (アクションコミックス)

*1:日向翔之進。元美濃の某藩藩士だったが、主君の不興を買って脱藩、息子と上京。

*2:いい意味で