K-1 WORLD MAX 決勝トーナメント

格闘技のレビューって久しぶりー。というか、わざわざこれを観るために仕事の休み入れたよ!そしたら、公休じゃなくて有休使われたよ!
最低ラインで話を見れば、使えるだけまだマシってことになるかもしれないけど…。
まぁ、それはさて置き。

いきなり掴みの試合を持ってくる。魔裟斗の希望で実現した試合だが、視聴率的にも、彼は自覚してK-1背負ってるなぁ。…もう魔裟斗だけでMAX持ってるわけじゃないけど。
パンチに活路を見出したい魔裟斗だが、最近のブアカーオは強打者ぶりを見せ付けるような試合も行っているだけに、試合の序盤から緊張感のある攻防が展開される。ブアカーオは、強烈な足技に加えパンチ力も身に付けた、本当に厄介なファイターになった。ローで魔差斗の足が泳ぐ。
魔差斗は右アッパーを交えたコンビネーションを叩き込み、タイミングを合わせて、ブアカーオからダウンを奪う。
ブアカーオは得意のローに活路を見出して逆転を狙うが、魔差斗のコンビネーションに対応できない。
お互いアグレッシブに攻め続けたが、1Rのダウンとその後もパンチを的確に当て続けた魔差斗が、判定で勝利。
ブアカーオは、対策を練られたか、それとも攻撃をローに絞らなかったからか、いつもの圧倒的な強さがなかった。



3Rから…ということは、どうやら1・2Rとも同じような展開だったのか…。ちなみに、解説はいつも御馴染み、畑山さん。と、KID。
あれ?なんか嫌な予感が…。
実況「KIDさんなら、自分より大きな相手とは、どういうふうに戦いますか?!」
KID「( ̄ー ̄)タックル」




だ   か   ら   K   I   D   に   話   を   振   る   な   っ   て    w。




ザンビディスの身長だと、やはりリーチのある相手は厳しい。相手が木偶の棒じゃないだけになおさら。
それでも果敢に、得意の素早い出入りでパンチを見舞うザンビ。対するキシェンコはガードを固めて、決定打を許さない。
キシェンコはザンビの打ち終わりを狙ってパンチを出す。Finalラウンドで決着付かず、延長へ。
ザンビの戦い方に変化はないが、攻め手がなくなったのか、飛び連蹴りを連発するようになる。キシェンコは膝からパンチに繋げて畳み込む。
正直微妙かな…と思っていたが、キシェンコ勝利。
ザンビは好きだけど、若い力も出てこなけりゃ困るし、ここは新鋭にチャンスを与えるって言う意味で。
…そもそもザンビの優勝ってありえないしな…。K-1の中堅ファイターとして、新人の壁になって欲しい。




  • クラウス vs 佐藤

佐藤はリーチ差を生かして、膝とパンチで試合を組み立てる。一方クラウスのボクシング技術はMAXの中でも、やはり一つ上のレベル。もちろんパンチメイン。
被弾は互角だが、後半に入って佐藤とクラウスの、ローとパンチの比率が若干逆転したような。
クラウスは有効打を重ねるが攻め切れない。一方佐藤は、グラつかされるも、逆に打ち合って巻き返す。今までの淡々とした試合運びとは打って変わって、熱い試合を見せる。
試合はクラウスの判定勝利だったものの、佐藤が根性を見せた。MAX的には一皮剥けたんじゃないか。



  • ○サワー vs ●ドラゴ

ドラゴは破壊力のありそうなパンチを持っているものの、力が入っているせいか、連続で手数が出ない。サワーはドラゴの打撃を丁寧にガードしつつ様子見、たまに爆発的な加速で、パンチのコンビネーションを叩き込む。
今回見てて気付いたんだけど、サワーってミドルへの蹴りは、回し蹴り、前蹴り関係なく、ほとんど捌くのね。K-1ファイターの中じゃ珍しい気がするんだが。
2Rに入って調子を上げてきたのか、サワーのパンチがカウンター気味にヒットし始める。
これが前兆だったのか、ドラゴの左ジャブに被せて、クロスカウンターで右ストレートを叩き込む。鮮やか!一瞬でドラゴの意識を断ち切った。
格の違いを見せ付けた一戦。ドラゴもまだ若いし、もっと伸びて欲しい。



ブアカーオに蹴られたローのダメージが残っている魔裟斗、4Rフルに戦ったキシェンコ。
キシェンコは攻撃を右のローをに絞り、魔裟斗の左足を破壊しにかかる。魔裟斗はこれを嫌がりつつも、パンチのコンビネーションに加えて、左のインローを多用。攻撃を以って防御と為した。
予想外にローが効き始めるキシェンコ。試合開始前までの足のダメージは、魔差斗の方が上だったのに…。それでも、1R終盤ではキシェンコの左ストレートが魔裟斗をグラつかせる。かなりチャンスだったと思うが、キシェンコは攻め切れず。
魔裟斗はローを飛ばしてからパンチのコンビネーションに繋げる。打ち合いに応じるキシェンコだが、フックの連打で魔裟斗の回転数に負け、返しの左フックをカウンターで浴びてダウン。敗北した。
実力差…と言いたいところだが、魔裟斗にも結構冷や冷やする場面があった。お互いノーダメージのワンマッチなら圧勝だろうけど。


  • ○サワー vs ●クラウス

パンチメインで攻めるクラウスに対し、サワーはガードを固めてイン・アウト両方のローを蹴りまくる。
クラウスはローを効かされ、良いパンチももらうが、それでも前に出続ける。煽り映像でも流れてたみたいに、期するものがあるんだろうなあ。
サワーは優勢に試合を進めるものの、決定打が出ずに判定へ。的確に打撃を決めたサワーに軍配が上がった。
この2人、2003年のサワー初参戦以来の試合だったんだ。もう一回くらいやってたような気がしたけど。K-1での初対戦ではサワーがフルボッコにされて、「ああ、サワーの方が強いって言われててたのに…」とガッカリしたものだが、2005年にサワーが優勝、対等の立場になってからの、今回の戦いでは、サワーの成長を改めて感じられた。
でも、ワンマッチでやれば、またどう転ぶか分からん。


魔裟斗は足へのダメージが大き過ぎる。サワーも第2試合では3R戦ったものの、局部的なダメージは遥かに軽い状態。
ダメージの上積みを避けて短期決戦狙いの魔裟斗、パンチで勝負に出るが、サワーはこれをことごとくガードで凌ぎ、決定打どころか有効打も許さない。
予想通り、ローで攻撃をかけるサワー。巻き返したい魔裟斗だが、2R終了間際には、立っているのもやっとの状態に。
3R開始を待たず、タオル投入で魔裟斗は敗退、サワーの優勝が決定した。



  • 感想

ドラゴ、キシェンコ、佐藤など新しい力も台頭してきたものの、全体的には世界王者経験者たちの強さを覆すには至らなかった。
一方魔裟斗がブアカーオに勝ち、クラウスも準決勝まで残ったことで、MAXは四竦みの時代に突入したのではなかろうか。
実力的に言えば、魔裟斗=ブアカーオ=サワー≧*1クラウスで、今後はいかに新戦力が、この4者の間に割り込むのかが見物。MAX史上においては、最も面白く、充実した時代になったと思う。
年齢的に言えば、ブアカーオ、サワーはまだ当分強く、20代後半に差し掛かったクラウス、魔裟斗はそろそろゴールが見えてもおかしくはない。
とは言え、ここまで実力に差のない面子が揃ったのだから、魔裟斗はトーナメント撤退とか言わずに、もう一度頂点を目指して欲しい。

*1:で、若干落ちるものの