えこP 「反逆のカリスマ」
普段ニコマスのコミュからは距離を置いている*1自分でも、「このPのMADは何かがおかしい…」と感じ取れるくらい、ニコマスの中で異彩を放ちまくる、それがえこP。
まとめwikiにも「動画技術系Pの至高の頂」と記されている。…のだが、それだけじゃないのがこのPのすごいところ。
他の追随を許さない圧倒的センス
初めて見たえこP作のMADがこれ。アイマス+パンク+ヘドバンという、人によっては食い合わせじゃないかと思うような組み合わせですさまじい化学反応を起こして見せた。特定のダンスモーションを超高速ループさせることで、映像も原曲の勢いに全く負けていない。改めて見ると中盤に若干の弛みはあるものの、全編を通して凄まじいまでの爽快感、疾走感である。
ニコマスを見始めの自分にとっては、「俺にも作れっかなー」くらいの、自分の技量、根性を全く度外視して、全く舐め切った考えを持っていたのだが、少なくとも、技術が縦軸、センスが横軸のグラフをニコマスというものに当てはめてみて、その至高の高みにいるPの製作したMADに、*2絶望感を味わうことになった。
その時の気分はこんな感じ↑。
この動画、えこPが運営に働きかけ、キャラのシルエットが、ニコニコ動画の左上のアイコンにも採用された。
恐ろしく地道で濃密な時間が、至高の作品を生む。
まとめwikiによれば、
そしてついに完成したロケットガールズ。3700フレームを抜きまくり、さらに全編自作CGで彩った超絶動画。
革新の月と呼ばれる7月にアップされたこの動画はまさにその頂点であり、いまだにアイマス最高峰と名高い。
秒間30フレームを「GO MY WAY!!」の時間分、つまり123秒にわたってやよいを切り抜いてつくられたその動画を見たのは、既に再生数も落ち着いてきた頃だったが、唖然とした。
「何だこのレベルの差は…」。
趣味で作っているMADでも、好みに合うものは好きだと言える。技術だけが全てじゃない。だが、違う。まず「これ」を認めなければならない。レベルが上の作品を目指すのならば、この技術と時間と労力を前提にしなければならない。
CGのポップさ、キュートさも、技術、労力、時間以上のセンスを感じざるを得ない。
センスと創造力の成層圏突破 〜そして誰もいなくなった〜
「私は忍者♡」、本来ゲーム画面では現れようのない3人の雪歩が、このMADでは鮮やかに七変化しながら、全く違和感なく所狭しと踊りまくる。ニコマスの存在を知らない人が見れば、「アイドルマスターでは、こんなライブ映像が見られるのか…」と苦もなく信じさせることも可能なほどに。
揶揄する意図は全くない、と断った上で比較例を出すならば、しげPのMAD、
でも、同時に舞台で踊る雪歩を実現している。しかし、使用しているツールの性能のせいか、やはり若干の不自然さが残っている。約一年の時間を経ても、ここまでの技術を持つPが量産されるには至っていないところに、えこPの、鷹の目並みの実力が見える。
更に、ニコマスに新たな境地と可能性を見出す、
律子の表情を自作し、イースタンユースの無骨な曲を「歌わせる」という行為をさせるまでに至る。供給側がもたらしたものに飽き足らず、既存のものにエフェクトをかけるのでもなく、「自作」したのである。今までのニコマスより更に一歩踏み出した「プロデュース」だった。
直近の作品では、アイマスキャラのシルエットを使ってフォントを製作する、という、またしても視聴者の度肝を抜く作品を提示して見せた。これもまた、ニコマスの新たな可能性の一端といえよう。
しかも「フォントを作った」というだけではなく、そのフォントを使ってスタイリッシュに、オシャレ系MADを作ってしまう。正直フォント云々抜きでも、十分楽しめるものを作ってしまうのがえこPの恐ろしいところ。
が。
その技術力とセンスはニコマスプロデューサーの中でも突出しているどころか、既に「突き抜けている」域にまで到達しており、この後を追おうという人が全然現れていない気がする。
技術力という点では同じクラスのPもいるのだろうが、大抵その技術は正統派MADを更に進化させる方向に使われており、「誰も考えない」or「想像はするが、やろうと思わない」or「想像はするができない」ようなニコマスの作り手は、えこP以外にいない。