インド

注:皆さんが考えるより、更に4〜5倍前後ビビリな男の日記として、お楽しみください。







日本時間21:20分、インド現地時間で、17:50分。
デリー。
インディラ・ガンディー空港に、一人の坊主が降り立った。
地球の歩き方」を握り締めて。
緊張と、若干の興奮と、それから大きな不安を隠そうともしない。
当然だろう。
初海外。しかも、飛び立つ前から散々ハードなイメージを植えつけられていたインドだ。
「中学も高校も、通しで英語の成績が2だったのになあ・・・」
坊主の口調には、元気がまるでなかった。
デリー経由ムンバイ行きの飛行機で、危うくムンバイまで行きそうになったからだ。
まずは入国審査。
足が震える。入国カ−ドを、マサラ顔の審査官に差し出す。
大丈夫。必要事項は、歩き方通りに記入してある。
一通りチェックした審査官が、坊主の鼻先にカードを突き返した。
「Sighn!」
「は?」
慌てて歩き方をめくる。記入例には、そこの欄には何も・・・。
「Sighn!」
眉間に皺を寄せて怒鳴る審査官。
「儘よ・・・」
祈るようにして呟き、苗字を書きこむ。
審査官は、再度差し出されたカードを一瞥すると、スタンプで小気味よい音を立てた。
ビバ!インド!
「WELCOME」
審査官は何も言わなかった。だが、歓迎のファンファーレと言葉が、坊主の脳内では、確かに響いていた。





これとは別の調子で、続く。