インド 11月5日

続いて、ガンディー・スミムリティ博物館。
クトゥプ・ミナールから博物館までは、再びバス移動。
「着いた。降りろ」
車掌が促す。
俺たちだけを残して、バスは走り去っていった。
「それらしい物は…」
ぐるりと辺りを見渡す。
「アレじゃないかな?ミュージアムって書いてあるよ。エーと…」
巨大な建物を取り囲む塀に、横断幕が張られている。それを山田FBに指し示しながら、
「ナ」「ショ」「ナ」「ル・ミュージア…」
ミュージアムしか合ってないじゃん…」
国立博物館前で降ろされてしまう。そこからは、路上の所々に立っている警察官に道を尋ねつつ、徒歩で移動。
歩く道々、ガンディーを思い出す。とはいっても、こっちの知識も、学童の頃に読んだ「マンガ、世界の偉人」くらいのものだ。
インド独立の闘士。弁護士として南アフリカに赴任し、黒人の権利向上に尽力。インドに帰国後も弁護士として活躍。当時インドを支配していたイギリスの弾圧に屈することなく、「非暴力・不服従」をスローガンに掲げ、名実ともにインド独立の指導者となる。
せいぜいこの程度。
詳しくは、wikiへのリンクでも貼っておくので、そちらで。
マハトマ・ガンディー - Wikipedia


ガンディ・スミムリティ博物館は、ガンディーが晩年に寄宿していた、インドの富豪・ビハル家の邸宅が、そのまま利用されている。
大きな邸宅で、庭とプールもかなりの広さをもつ。

hage「ガンディーは菜食主義者でさー」
山田FB「ガンディーも、ここに住んでた時は女はべらせてプールでウハウハだったんだよ。きっと」
hage「…ねーよ」

その日も彼は、祭壇に祈りを捧げるため、邸宅を出た。大勢の人が見守る中、庭へと向かい、階段を登り、そして。
ここには、暗殺当日にガンジーが辿った足跡が保存されている。それが、突然途切れている場所には、碑が立っている。
不思議な気分。実に不思議な気分だった。
世界史上に残る人物が*1、古臭く、陳腐な手段で、死を授かった場所。歴史というには、まだあまりに若いこの場所で、57年前、全世界に影響を与えた、その小柄な老人は。
「行こうか」
山田FBが言った。日差しが強い。時計は、既に、13時半を回っている。

*1:しかもその人物は、世界の偉人として今尚讃えられる人なのだ