宇宙の漂流者

高校生の頃読んだ、岩崎書店出版、SFロマン文庫。その中で1番気に入っていた一冊が、この「宇宙の漂流者」。
SFロマン文庫自体は既に絶版となっていたが、復刊ドットコムで復刊の働きかけがあり、「SF名作コレクション」としてロマン文庫約30巻の中の10巻が復刊を果たした。
本文は変更なく、若干サイズが大きめに。挿絵や表紙は、ロマン文庫に収録されているのとは違うモノが描き下ろされている。

ゲルン星と戦争状態に陥った地球。資源を使い果たし、劣勢に立たされる地球は、起死回生を狙って、新たに発見された居住可能な惑星・アシーナへ、秘密裏に移住船を送り込む。
だが移住船はゲルンの艦艇に発見・攻撃され、拿捕されてしまう。乗員は適合者と不適合者に選別され、不適合者は、近くの惑星・ラグナロクに降ろされた。
ラグナロク、「神々のたそがれ」の意を持つこの惑星は、1.5Gの重力、怖ろしい猛獣、原因不明の病、寒暖差の激しい気候が支配する過酷な世界だった。
地球人たちはゲルンへの復讐と地球の復興を胸に、何世代にもわたるサバイバルを続けていくことになる。

バイファムを見ているが、つくづくこういう漂流冒険譚とか、群像劇が好きだなぁ、と自分でも思う。二年間の休暇ロビンソン・クルーソー神秘の島…等等。
ジュニアSFの中でも、割と高い年齢層向けの作品。代替わりしていくため、決まった主人公は存在しない群像劇となっている。
大を生かすために小を殺す、裏切り者への私刑、こういった人間の宿命…だが、若者が拒否反応を起こしがちな場面もしっかり描かれる。
紙数の制約からか、4部に別れているものの、後半3部が明らかに駆け足なのは残念。
この本は、わざわざ購入したのだが…や、内容に文句はない。文句はない…が。

表紙。
まぁ、これはまだいいとしてだね。

一角獣。なんだ、この駄RPGに出てきそうなモンスターは…。

オオカミドラ。
…。
前半は人間の敵だが、後半ある出来事をきっかけに人間との間に友情が生まれる。その展開もなかなか熱い。

もうこれリスじゃねーだろ!どんなクリーチャーだよ!…というモノマネリス。近くにいる者の意思、または言葉をテレパシーで仲間に送ることができる。作中ではトランシーバーのような役目を果たした。




というように、改変が激しすぎる…。orz
絵師さんをググってみると、まぁ確かに題材によってはなかなかいい個性なんだが…この起用はないだろう。
旧作の絵の方が味があってよかったなあ。


宇宙の漂流者 (SFロマン文庫23)

宇宙の漂流者 (SFロマン文庫23)

宇宙のサバイバル戦争 [SF名作コレクション(第1期)] (SF名作コレクション (6))

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