古橋秀之 多分その2
全部を読んだ訳ではないし、全部が傑作な訳でもない。
でも好きな作家といえば、1位はこの人。以下ケイオス・ヘキサ三部作以外で読んだ作品について適当に。
- 作者: 古橋秀之,藤城陽
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2007/04/10
- メディア: 単行本
- 購入: 9人 クリック: 77回
- この商品を含むブログ (145件) を見る
ちょこちょこ他の感想を覗くと、やはり「ちょっと短い」てのと「読後感が爽やか」てのが目立つ。大まかな印象は同じです。
相変わらず、台詞回しが自然で、ラノベにありがちな鼻に付く感じがない。
最近思うのは、古橋作品って大人だよなぁ、ということ。枯れてる、とも言えるが、大人な文章を書けるラノベ作家って、あまりいないんじゃないか。
全体的にロシアテイストを入れるのは、お禿様*2といい、こういう感性の人たちに共通の感性なのか知らん。
あと、ジェーニャの完璧なツンデレっぷりに吹いた。
- 作者: 古橋秀之,岩原裕二
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2001/12
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 19回
- この商品を含むブログ (50件) を見る
構成的にやや煩雑な感があるが、最後まで息を付かせず、ハラハラドキドキを維持しながら読める作品。
登場人物にも一ひねりあって、事実上ヒロイン的な位置付けのキャットは、ツンデレと言うほどにはクザクと好い仲になるわけでは無し、クザクも主人公というには、最後まで感情を押し殺しているせいで感情移入という点で、若干ケチが付く。
裏主人公というべきは、敵役であるデイルズと、レンズマンの長たるキムボール・キニスンだろう。古橋作品の敵役らしい、絶対的な狂気と悪を持つデイルズと、アメリカンテイスト溢れる「まさに主人公」キニスンは、作中で実に生き生きと、自らの役割を全うしているように感じる。
文章も、正調SFらしい翻訳調で書かれ、古橋氏の新たな一面を見せる作品となっている。