HELLSINGとパンプキンシザーズについて思うこと

この2本を読んでみて思ったことを書き留めておく。
一見全然違うようで、奇妙に引っかかった共通項があった。
結論から言うと、「厨成分の濃度」だ。
片やヘルシングは雰囲気マンガの最たるもので、とにかくカッコ良い『魅せ方』を、これでもかというくらいに追求している。吸血鬼を主人公として、その主人である冷静で男勝りな美女、下僕である美少女の婦警、敵役にナチスの残党とカトリックを配す、というまさに厨設定のオンパレード。
パンプキンシザーズは立ち読みのみなので、比較してどうこうというのは気が引けるが、主人公は最強の歩兵と、その上司である貴族の令嬢…と、こちらも遜色ない。
この際、厨設定というものの良し悪しは置くとして、この厨設定を「カッコいい」と感じられるくらい消化させているかどうかが問題になる。
要は読者の感性にマッチしているかどうかだとも思ってしまうが、パンプキンシザーズは「厨設定が、そのまま厨臭いとしか受け取れない」作品であるように感じる。
ヘルシングは、ヒラコー自身の画力によるところもあるが、その執拗なまでの台詞回しや、一部登場人物の突き抜けっぷりが、厨設定という枠組みを越えて「カッコ良く」見える。あまりに厨成分が濃すぎることが、逆にいい方向に作用している。






どちらがセールス的に、つまり一般受けするかはまた別の話だが。ただ、パンプキンシザーズは、アマ止まりというか、厨成分も中途半端で、同人レベルの作品じゃないかと思うわけだ。
『厨設定も、料理次第』

Pumpkin Scissors(5) (KCデラックス)

Pumpkin Scissors(5) (KCデラックス)

展開はお約束だが、一番好きなのはこの巻。お姫様とのキャッキャウフフ話がもっと見たい。
HELLSING 4 (ヤングキングコミックス)

HELLSING 4 (ヤングキングコミックス)

よくネタにされる、ヘルシングの台詞回しを象徴する名台詞の載っている巻。ヒラコーも、ヘルシング1〜3巻までに収録されている、前身の読み切り作品なんかでは、濃度が中途半端なせいか、アマレベルなんだが。