HELLSINGとパンプキンシザーズについて思うこと
この2本を読んでみて思ったことを書き留めておく。
一見全然違うようで、奇妙に引っかかった共通項があった。
結論から言うと、「厨成分の濃度」だ。
片やヘルシングは雰囲気マンガの最たるもので、とにかくカッコ良い『魅せ方』を、これでもかというくらいに追求している。吸血鬼を主人公として、その主人である冷静で男勝りな美女、下僕である美少女の婦警、敵役にナチスの残党とカトリックを配す、というまさに厨設定のオンパレード。
パンプキンシザーズは立ち読みのみなので、比較してどうこうというのは気が引けるが、主人公は最強の歩兵と、その上司である貴族の令嬢…と、こちらも遜色ない。
この際、厨設定というものの良し悪しは置くとして、この厨設定を「カッコいい」と感じられるくらい消化させているかどうかが問題になる。
要は読者の感性にマッチしているかどうかだとも思ってしまうが、パンプキンシザーズは「厨設定が、そのまま厨臭いとしか受け取れない」作品であるように感じる。
ヘルシングは、ヒラコー自身の画力によるところもあるが、その執拗なまでの台詞回しや、一部登場人物の突き抜けっぷりが、厨設定という枠組みを越えて「カッコ良く」見える。あまりに厨成分が濃すぎることが、逆にいい方向に作用している。
どちらがセールス的に、つまり一般受けするかはまた別の話だが。ただ、パンプキンシザーズは、アマ止まりというか、厨成分も中途半端で、同人レベルの作品じゃないかと思うわけだ。
『厨設定も、料理次第』
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