アフタヌーン

買ったからには一応全マンガ読むけど、今現在読んでいるのは、おおきく振りかぶってヒストリエハトよめ臨死!!江古田ちゃんヴィンランド・サガ、この辺。
一々感想書くのは面倒なので割愛。




じゃあ一体何を書くのかというと、市川春子の「星の恋人」ですよ。
2006年のアフタヌーン四季賞において、「虫と歌」で大賞受賞。最初に読んだ感想は、「こりゃ凄いのが出てきたなー」。
とにかく、雰囲気がしっかりと出来ていて、かつそれを我が物(自然に)にしている。他の受賞作と比べても、頭二つ以上は抜けた作品だった。
…ということを、読んだ時に書こうと思ったのだが、今ログを漁ってみても関連した記述が一つもない。書こうとした覚えはあるんだが。多分書いてる途中でフリーズしてバックアップが効かなかった、とかそんなオチかな。
あぁ、連載前の段階で取り上げて、「俺はこの人が来るの分かってたけどね、フフン」なんて浅薄な優越感に浸りたかったのに。
今となって言ってみても…とは言え、アフタヌーンを購入するようになったここ二年余りの間に、四季賞の小冊子を取っておいたのは「虫と歌」の掲載されたこの一冊だけなので、その例だけを取れば。




さて、では「星の恋人」を読んでの感想はというと、この人のマンガは、俺にとって水が合うな、と。
今回は植物の人造人間の話。「虫と歌」では昆虫の人造人間で、彼らは死の間際まで、自分が「人間」ではないと知らなかったのに対して、「星の恋人」では、さつきもつつじも自らが生まれた来歴を、あらかじめ、あるいは物語の早い段階で知っている。
さつきから切り離されて生まれたつつじは、どうして同一性を持たなかったのか?「自己愛」の根源がさつきでありながら、その分身であるつつじの愛はさつきには向かず、「彼の好きだった」叔父の恋人になっている。
そう考えた時、割とBL系の、俺が「気持ち悪い」と感じられるギリギリのラインで話の本筋が展開されているのに、叔父を愛したつつじを「女性」にしたことで、そう感じさせないというか、感じるんだけど、上手く言い包められているというか…。
相変わらず、ライトとシリアスに上手く使い分けられた雰囲気と、間の取り方が抜群。連載作品も読んでみたいなぁ。

月刊 アフタヌーン 2007年 12月号 [雑誌]

月刊 アフタヌーン 2007年 12月号 [雑誌]