持続不可能なそれを一体どうすりゃいいものか。

雨の場合は体育館でやると言うので、「そうなったらテンション下がるなぁ」と予想していた体育祭は、時折晴れ間の見える天気の中、無事屋外で行われた。
完全な学生主体なので、段取りや進行において相当グダグダな雰囲気なのだが、この非常に「緩い」空気の流れ方が非常に心地良かった。
もう少し昔なら、「あー、くだらねー、早く終わんねーかなー」と遠慮なく思っていたことだろう。年を重ねて、少しは余裕を持てて来たというか、「くだらねー」と思うようなことでも、自分が楽しみたいものは素直に楽しもうとする姿勢が、20台も後半に差し掛かって漸く芽生えてきたということだろうか。
さて競技の結果の方はと言うと…。




三年生が強過ぎる(つд`)。
いや、流石に13人もいると層が厚い。スポーツマンタイプの人も当然いるわけで、リレーとかがクソっ早い。生来運動が好きでもない得意でもない26歳児にとっては、端から勝負になりゃしない。
出場した競技は、リレー(×2。クラス対抗とチーム対抗。)、ムカデ競争、障害物競走、台風の目(竹の棒持って走るやつ)、大縄跳び…全部じゃねぇか。
あとは、毎年恒例であるという(一応新入生歓迎体育祭なので)新入生メインの出し物。これに関しては、既にでき始めつつある、クラス内女子間の様々なやり取りやグループ、動きも重なって、表面上の協力体制はあるものの、空気的には(メインで企画していた現役組には悪いが)非常に微妙なものが。特に結構歳行った人ほどこの手の出し物はキツい。演目ダンスだし。




で、そんな中で。えぇ、えぇ。また空回らさせて頂きましたよ。存分に。
「…確か、父さんの製作した張りぼてがあったな。ミッキーの…」。
それを使えば安易に笑いが取れると思い付くわけですよ。

“イタい”ことは極力避けるビビリ屋

とはT-260Gの評だが、その一方で自己顕示欲もまだまだ枯れてはいない。つまり、イタいのは開き直って、ビビる部分さえ通過すれば、周りはどうだろうが突っ走ることができる。
普段俺がクラスの中で見せている自分、そこから予測される範囲の行動とは、相当に違う、「着ぐるみで踊る」という行為をするわけだ。一種の賭けでもあった。
しかしその割には、クラスメイトはおろか、出し物の企画の中心にいる行事委員にすら何をやるかは一切伝えていない。ここがまた姑息なところで、つまり企画や練習の段階で、「こういうのできるよ」と表明して、何かしらの期待をかけられるのが嫌なのである。期待に比例して責任(よく考えりゃそんなものも大してないんだが)が増えたり、滑った時に傷付くのを嫌がっているのだ。「目立ってチヤホヤされてーなー」とは思っている癖に。
こちらも結果から言えば、ドキドキしながら飛び出してちゃんとウケが取れたのには、正直胸を撫で下ろした。出し物の最中も軽い興奮状態だったので、やっちまった感や、空回り感も、そこまでは感じずに済んだ。被り物は、視界も聴覚も限定されるので、そのせいもあるが…。
同級生は大体引いていた…と言うより、予想外の事態をどう扱っていいのか分からなかった雰囲気。
そしてエントリタイトル通り、この「おいしい状況」を保って行けない自分。…いやいや、無理だってば。素面に戻ったら、素面のテンションしか出せない。
かくして、この爆発力も一瞬で、いつもの「抑えている自分」へと戻る。一時の笑いを取った他は、クラスメイトの抱くイメージを混乱させただけで、再び「取っ付き難いヤツ」として扱われるキャラクターになる。
いやはや、面倒臭いもんだ。