夜のカメムシの生態(俺のみ)

2月29日のエントリから続いてるんですよ何気に。


  • 前回までのあらすじ

お口の中は雑菌がいっぱいなので、素手で入れ歯を洗うのは正直(・A・)イクナイ!、です。



夜勤が入れ歯をゴシゴシ磨いている間に、遅番は各部屋の患者の体位交換をしていく。体の向きを、枕を使って、右から左に、左から右に変えるだけの作業なのだが、人によってはこれだけの動きが一日にできる全てなので重要な作業だ。
腰の辺りに手を差し込んで、湿っぽかったら注意が必要である。オムツの当て方が悪かったか、それとも一服盛られているか、下痢気味か。とにかく、排泄物がオムツから溢れている状態だ。早急のおむつ交換が必要である。
ここまでで19時〜19時半。遅番が退勤となり、夜勤者だけの時間が始まる。
ナースステーションの掃除は、ほうきで目立ったごみを取り除いてから、水をたらしてモップでゴシゴシ拭いていく。時間が空けば、看護師の熱発者用氷枕作りを代わって行う。
夕方かけたネブライザーの管は、次亜塩素酸(ハイター)を薄めた水の張ってあるバケツに沈めてあるので、これを取り出して干してから、薬杯、シリンジ、経管ボトルを沈める。時間的にそろそろこれらの消毒が終わっているので、順次取り出して使えるように準備しておく。
薬杯は洗って二段重ねにし、下のコップに薬を溶く用の水を少量張る。
シリンジはバラして上のコップに差す。
経管ボトルは、チューブをボトルにグルグル巻いて留めておく。
ナースコール対応しながら、これらの作業が21時頃に終わる。状況にもよるが、この21時までに夜食を腹に入れておかないと、後がなかなか辛い。



21時、病院の電気が一斉に消える。カートを2台押して、常夜灯の付いた薄闇の部屋を蠢く影が一つ。
hage「オムツ見せてね〜(小声で)」
延々二時間は続くオムツ交換の始まりである。「本来オムツ交換はケアの業務」なので、看護師はあくまでそのサポートだ。自分達の仕事に切りの付いた22時半頃に合流してくれるが、それまでは孤独に一人で、患者一人一人のオムツを見なければならない。
3人連続で大 便、しかもオムツから漏れたりしていた日には、もう泣きたくなってくる。が、泣いていた所で便が消えてくれるわけでもないので、歯を食いしばって処理に取り掛からなければならない。…つい先日の夜勤では、実に5人の便漏れがあり、流石に日勤者に殺意を覚えた。
全部屋のオムツ交換を終えて23時を回る。ここから休憩タイム。看護師はまだ記録などをこなしているが、介護職はナースコール対応と巡視くらいをやっておけばいい。
日付が変わり、0時半になると仮眠タイム。タオルケットを携えて、リハビリルームで眠る。