泌尿器の授業で聞く面白い話。前立腺がん編。

後日書くと言っていた、泌尿器の授業で面白いと思った話でも。

  • ジジイたちの受難

高齢者の前立腺がんに使われる内分泌療法は、がんの原因である男性ホルモンを抑制する薬物を投与する。
この内分泌療法は前立腺がんに対して非常に有効な手段で、臨床試験をしていた段階で、8割の患者に効果があったので、「ここまで効くなら、『投与しない例』の人たちにも投与するように」というお達しが出たほどだ。
ただ、この抗ホルモン剤がクソ高い。年間約100万円の薬剤費がかかり、予後約10年は生きられる。患者一人当たり1,000万円の医療費がかかるのだ。財政の健全化が叫ばれ、社会保障費の一環である医療費も抑制したい昨今、内分泌療法については保険適応から外そうとする動きがあるとか何とか。
高齢者に1,000万も投入して寿命を10年延ばしても、果たして還元される利益が在るやしらん?という話らしい。





もう一つの治療法としては、前立腺がんの発生部位の近くに、小さな放射性物質を埋め込むというものがあるらしい。これも有効な治療法の一つなのだが、重要な注意がある。
孫を抱けないのだ。
じいちゃんの股ぐらから放射能が出ているわけだから、健康な子供を抱っこし続ければ、孫も放射能を浴びてしまう。孫好きのジジイにとっては拷問のような副作用だ。
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