ネパール 11月22日 その2

タクシーが少し走ると、丘の上のちょっとした住宅街に入った。
「ブンマティ村です」
とウッタムさんが言う。
タクシーを降りると、制服姿の、浅黒い肌をした女の子が立っていた。
自分の親が里親の里子と対面…なのだが、向こうがオドオドするのはまだ分かるとしても、何で俺までオドオドしてるのかが良く分からない。送られてきた写真も、ちゃんと見たことがなかったからなぁ。
彼女の住む村はブンマティ村から、更に山の方に入ったところにあるそうだが、わざわざ、車が無理せずに行けるこの村まで出向いてくれたそうだ。
ウッタムさんが、彼女の村にも行って見ますか、と提案してくれたので、それに乗ることに。
4人乗りのタクシーにさらにもう一人を詰め込んで、舗装していない道を、上下に揺られること約15分。
段々畑が延々と連なる山あいの村。すっごく長閑な雰囲気で、「ああ、田舎ってこういうところのことを言うんだなぁ」と感じる。



村には、15人の児童が通学する小学校が一軒と、小中高等学校が一軒。
彼女の家はレンガ造りの三階構造で、屋根は日本の萱葺きに似ている。電灯がないので、室内は昼でも薄暗い。






3日前に生まれたばかりだという子山羊が可愛過ぎる。





勉強はどう?とか、頑張ってね、とか、そんな当たり障りのないことしか喋れなかったけど、「異国にいる、自分の両親が里親の子供に会う」という奇妙な縁を体験できた。





今度は、母親の同僚・Aさんの里子に会いに行く。車に揺られること40分。
今度も山間の、時間がゆっくり流れていく村だった。この村には、ネパールのカーストのうち、武士階級「チェトリ」が多いのだそうだ。
トタン板で屋根を葺いた小学校を覗くと、低学年の子供達が英語の勉強の真っ最中だった。
一休みしていたら、バフ(水牛)の乳を使ったヨーグルト、チャイ、卵焼き付きの辛いヌードルが出てきた。ウッタムさんが幾許か出して用意してくれたらしい。感謝。